変分量子固有値ソルバー(VQE)
このレッスンでは、変分量子固有値ソルバー(Variational Quantum Eigensolver、VQE)を紹介し、量子コンピューティングにおける基礎的なアルゴリズムとしての重要性を説明するとともに、その強みと弱みも探っていきます。VQE単体では、補助的な手法なしに現代のユーティリティスケールな量子計算に対応するには不十分な可能性があります。しかしながら、古典-量子ハイブリッド手法の原型として重要であり、より高度なアルゴリズムの多くの基盤となっています。
このビデオは、VQEとその効率性に影響する要因の概要を示しています。以下のテキストでは、さらに詳しい説明と、Qiskitを使ったVQEの実装を行います。
1. VQEとは何か?
変分量子固有値ソルバーは、古典コンピューティングと量子コンピューティングを組み合わせてタスクを達成するアルゴリズムです。VQE計算には主に四つの構成要素があります。
- 演算子:最適化したいシステムの特性を記述するハミルトニアン( と呼びます)であることが多いです。言い換え ると、この演算子の最小固有値に対応する固有ベクトルを求めることです。その固有ベクトルを「基底状態」と呼びます。
- 「アンザッツ(ansatz)」(ドイツ語で「アプローチ」を意味する言葉):これは、求めている固有ベクトルを近似する量子状態を準備する量子回路です。アンザッツはある種の量子回路の族(ファミリー)であり、回路内のいくつかのゲートはパラメータ化されています。つまり、変化させることができるパラメータが与えられています。この量子回路の族によって、基底状態を近似する量子状態の族を準備することができます。
- Estimator:現在の変分量子状態における演算子 の期待値を推定する手段です。求めたいものがこの期待値(コスト関数と呼びます)だけの場合もあります。また、1つ以上の期待値から始まるより複雑な関数が必要な場合もあります。
- 古典的オプティマイザ(最適化器):コスト関数を最小化しようとしてパラメータを変化させるアルゴリズムです。
それぞれの構成要素についてさらに詳しく見ていきましょう。