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はじめに

このレッスンは、量子情報理論において根本的に重要な概念である、状態の*精製(purification)*を中心に展開されます。 密度行列 ρ\rho で表される量子状態の精製とは、より大きな複合系の純粋状態であり、複合系の残りの部分をトレースアウトすると ρ\rho が得られるものです。 これから見ていくように、トレースアウトされる複合系の部分が十分に大きければ、すべての状態 ρ\rho は精製を持ちます。

状態について考える際に、その精製を考慮することは一般的であり、また有益です。 直感的に言えば、量子状態ベクトルは密度行列よりも単純な数学的対象であり、密度行列をより大きな系の一部として、その系全体の状態が純粋(したがって、少なくともいくつかの観点においては単純)であると考えることで、密度行列について興味深い結論を導けることが多いです。 これは数学における*拡張(dilation)*の一例であり、比較的複雑なものが、より大きくよりシンプルなものを制限または縮小することで得られます。

このレッスンでは、2つの量子状態間の*フィデリティ(fidelity)*についても取り上げます。フィデリティは、状態間の類似度を定量化する値です。 フィデリティが数学的な式によってどのように定義されるかを確認し、*ウールマンの定理(Uhlmann's theorem)*を通じてフィデリティが精製の概念とどのように結びつくかを議論します。

レッスン動画

次の動画では、John Watrous が精製とフィデリティに関するこのレッスンの内容を解説します。別ウィンドウでこのレッスンの YouTube 動画 を開くこともできます。このレッスンのスライドをダウンロードすることも可能です。