変分量子固有値ソルバー(VQE)
このモジュールを受講するには、Pythonの動作環境と、以下の最 新バージョンのパッケージがインストールされている必要があります:
qiskitqiskit_ibm_runtimeqiskit-aerqiskit.visualizationnumpypylatexenc
これらのパッケージのセットアップとインストール方法については、Qiskitのインストールガイドを参照してください。実際の量子コンピューターでジョブを実行するには、IBMクラウドアカウントの設定ガイドの手順に従ってIBM Cloudアカウントを作成する必要があります。
このモジュールはテスト済みで、QPU時間を約8分使用します。これは目安であり、実際の使用量は異なる場合があります。
# Added by doQumentation — required packages for this notebook
!pip install -q matplotlib numpy qiskit qiskit-aer qiskit-ibm-runtime scipy
# Uncomment and modify this line as needed to install dependencies
#!pip install 'qiskit>=2.1.0' 'qiskit-ibm-runtime>=0.40.1' 'qiskit-aer>=0.17.0' 'numpy' 'pylatexenc'
はじめに
20世紀初頭に量子力学モデルが発展して以来、科学者たちは電 子が原子核の周りを一定の軌道に沿って動くのではなく、軌道(オービタル)と呼ばれる確率の領域に存在することを理解してきました。これらの軌道は、電子が占有できる特定の離散的なエネルギー準位に対応しています。電子は自然に最も低いエネルギー準位(基底状態)に存在しますが、十分なエネルギーを吸収すると、より高いエネルギー準位(励起状態)へ遷移することができます。励起状態は一時的なものであり、電子はやがて低いエネルギー準位へと戻り、吸収したエネルギーを(多くの場合、光の形で)放出します。このエネルギーの吸収と放出という基本的なプロセスは、原子がどのように相互作用し、結合を形成するかを理解するうえで重要です。
原子が集まって分子を形成する際、原子軌道が結合して分子軌道が生まれます。これらの分子軌道における電子の配置とエネルギー準位が、生成される分子の特性と化学結合の強さを決定します。たとえば、2つの水素原子から水素分子()が形成される場合、各原子の電子は原子軌道を占有しています。原子が互いに近づくと、これらの原子軌道が重なり合い、新たな分子軌道が形成されます。一方はエネルギーが低い結合性軌道、もう一方はエネルギーが高い反結合性軌道です。各水素原子から1つずつ計2つの電子は、優先的に低エネルギーの結合性軌道を占め、分子を安定した共有結合で結びつけます。分離した原子と形成された分子のエネルギー差、特に分子軌道における電子のエネルギーが、結合の安定性と特性を決定します。
以下のセクションでは、分子に焦点を当て、この分子形成プロセスを探求します。実際の量子コンピューターと古典的な最適化手法を組み合わせて、この単純ながら基本的なプロセスのエネルギーを求めます。この実験は、量子計算が計算化学の問題解決にどのように応用され、電子エネルギーの役割についての洞察を提供できるかを実践的に示すものです。